「親の判断力が落ちてきた…」そんなときに知っておきたい法定後見制度とは?

高齢の親が「通帳の場所を忘れた」「よく分からない契約を結んでいた」など、判断力の低下が目立ってくると、家族としては心配がつのるものです。

財産管理、医療や介護に関する手続き、さらには親族間の意見の食い違いまで──すべてを一人で抱えるのは大きな負担です。

そんな時に選択肢として考えたいのが、「法定後見制度」です。


法定後見制度で和らぐ、よくある3つの不安

心配ごと制度によるサポート
お金の管理が難しくなってきた
(詐欺・不明な出費など)
後見人が代わりに契約内容を確認し、財産の管理を担います。
入所や医療手続きで戸惑う
(本人の意思確認が困難)
後見人が法的代理人として、必要な手続きに対応できます。
相続や介護方針を巡るトラブル第三者として選任された後見人が入り、冷静かつ公平な判断を促します。

判断力の状態に応じた3つの制度タイプ

制度の種類該当する状態支援の内容
成年後見ほとんど判断ができない状態(例:重度の認知症)後見人が全面的に生活や契約行為を代理します。
保佐判断に大きな不安がある場合重要な契約などに対して、同意や代理を行います。
補助判断力は残っているが部分的に支援が必要な段階必要な範囲に限って、補助人が関与します。

申立てから利用開始までの流れと必要な準備

手続きの基本ステップ

  1. 申立て(本人・配偶者・親族・市区町村長など)
  2. 家庭裁判所による審査
  3. 医師による診断書の提出
  4. 裁判所の審判、後見人の決定

費用や書類の一例

  • 収入印紙:およそ800円
  • 登記費用:2,600円程度
  • 医師の鑑定費用:5〜10万円(地域差あり)

実際に起きやすいトラブルと事前にできる備え

  • 報酬を巡る誤解:後見人の報酬について意見が分かれることがあります。
  • 親族の間での意見の食い違い:誰を後見人にするかで対立が起きる場合も。

→ 専門家のアドバイスを早めにもらい、あらかじめ希望を整理しておくと安心です。


家族がいない、または頼れない場合の選択肢

利用できる代替制度の比較

制度名特徴注意点
市民後見人自治体が選任。公的な安心感がある支援範囲が限られることもある
法人後見法人が継続的な支援を提供個別対応が難しいケースもある
身元保証会社の活用後見制度と組み合わせてサポート
(入所手続き・死後事務も対応)
信頼性の高い会社を選ぶ必要あり

まずは専門家への無料相談で不安を整理しよう

相談先の例

  • 司法書士や行政書士などの専門職
  • 地域の身元保証サービス
  • 市区町村の高齢者支援窓口

制度と民間サービスを上手に組み合わせることで、家族だけで抱えずに済む体制が作れます。


自分たちに合った制度を見つけるには?

「どの制度を選ぶか」ではなく、「どんな場面で困っているのか」を基準にすることで、自分たちに合った方法が見えてきます。

家族の状況やご本人の希望に耳を傾けながら、柔軟に選んでいくことが大切です。


迷ったときは、早めの相談がカギ

判断力が完全に失われる前に動くことで、選べる選択肢も広がります。

まずは無料相談などを活用し、自分たちの状況に合った対策を見つけていきましょう。


まとめ

法定後見制度は複雑そうに見えますが、実際には家族の不安を一つずつ解消してくれる手段でもあります。

大切なのは、制度を理解し、自分たちの信頼できる支援先を見つけること。

「どこに相談すればよいか」からでも構いません。
まずは一歩踏み出して、安心できる体制づくりを始めてみませんか?

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA