「認知症かも…」と思ったときに。家族が知っておきたい安心の備え方

目次

  1. 認知症で変わる日常の風景
  2. 認知症のタイプと特徴を知っておく
  3. 医療・介護・お金を支える3つの支柱
  4. 家族ができる準備
  5. まとめ

認知症で変わる日常の風景

日常で気づきやすい変化(イメージ)

🗒️ 同じ質問をくり返す 短期記憶の整理が難しくなるサイン🛒 買い物・お金のミス 重複購入、レシートが増える など💭 気分や性格の変化 怒りっぽさ、興味の低下 など

何度も同じことを聞く――記憶の変化に気づいたら

「さっき話したのに、また聞かれた」そんなやり取りが続くと、戸惑いますよね。
本人に悪気はなく、情報を整理したり思い出したりする力が少しずつ弱くなっているだけのこと。
「どうして覚えていないの?」と責めずに、一緒にメモを確認したり、予定をカレンダーに書き込んだりすると、落ち着いて過ごせます。

買い物やお金の管理に変化が見えるとき

財布に同じレシートが何枚も入っていたり、同じ食品を何度も買ってきたり。
そんな小さな変化も、判断の力がゆるやかに落ちているサインです。
買い物リストを一緒に作ったり、支払いを簡単な方法に変えたりと、生活の工夫で安心を増やすことができます。

感情の波や性格の変化に戸惑うとき

以前より怒りっぽくなったり、好きだった趣味に興味を示さなくなったり。
それは気持ちの問題ではなく、脳の働きが変わったことが関係している場合があります。
無理に注意するよりも、安心できる会話や穏やかな時間を増やすことを心がけてみましょう。


認知症のタイプと特徴を知っておく

アルツハイマー型は、少しずつ記憶があやふやになっていく一番多いタイプです。
レビー小体型では、幻視が見えたり日によって調子が違ったりします。
前頭側頭型は、比較的若い年齢でも起こることがあり、性格の変化や同じ行動のくり返しが見られます。
血管性認知症は、脳の血管が詰まったあとに起こることが多く、段階的に症状が進みます。

タイプ主な特徴初期に気づきやすいサイン家族の対応ヒント
アルツハイマー型記憶障害が中心でゆっくり進行同じ質問のくり返し、日時や場所の混乱予定の見える化、メモ・カレンダーの共同管理
レビー小体型幻視、注意力のゆらぎ、身体のこわばりはっきり見える幻視、日内変動、歩行の変化転倒予防、照明環境の調整、主治医と薬の相談
前頭側頭型性格・行動の変化、こだわりや反復行動同じルート・食べ物への固執、社会的ルールの変化叱責より環境調整、選択肢を減らし見通しを作る
血管性段階的に悪化、症状のまだらさ発症後の認知・歩行・言語の変化生活習慣病の管理、リハビリと再発予防

医療・介護・お金を支える3つの支柱

受診〜支援活用の流れ(かんたんフローチャート)

気づく

➜かかりつけ・もの忘れ外来受診

➜検査(長谷川式・MMSEなど)

➜介護保険申請

➜ケアプラン作成・サービス開始

➜財産管理(成年後見・家族信託)

医療の支え

「もの忘れ外来」や「脳神経内科」では、簡単な質問に答える検査(長谷川式やMMSE)で状態を調べます。
早めに相談すれば、薬や生活の工夫を取り入れて、症状を穏やかに進めることもできます。

介護の支え

介護保険を利用するには、市区町村への申請が必要です。
在宅での介護が難しくなったら、グループホームや介護施設など、本人に合う環境を探してみましょう。
暴言や妄想などの行動が出てきたときは、家族だけで抱え込まず、ケアマネジャーや医師に相談を。

お金と手続きの支え

判断力が落ちると、契約や銀行の手続きが難しくなることがあります。
成年後見制度や家族信託を活用しておけば、財産を守りながら生活を続けることができます。
身元保証会社では、入院や施設入所の手続き、緊急時の対応、支払い代行などをまとめて支えることもできます。 ▶ 支柱ごとのチェックリストを開く

  • 医療:受診先の候補を2〜3件メモ/診察に同席できる日程調整/お薬手帳の準備
  • 介護:地域包括支援センターへ連絡/要介護認定の申請書類を確認/ケアマネ候補の比較
  • お金:口座一覧・年金・保険の洗い出し/代理手続きの方式(後見・家族信託等)を検討

家族ができる準備

情報を整理する

通帳や保険証、契約書などを一か所にまとめておくと、いざという時に慌てずにすみます。

相談できる場所を見つける

地域包括支援センターや身元保証会社など、気軽に話せる人や場所を持っておくと心強いです。

早めに手続きを整える

入院や施設入所の同意、支払いの代行など、あとから困らないように準備を進めておくと安心です。

項目具体例進捗
重要書類の一括保管通帳/印鑑/保険証・介護保険証/年金書類/契約書□ 未着手 □ 進行中 □ 完了
連絡先リスト主治医/地域包括/ケアマネ/緊急連絡先/身元保証会社□ 未着手 □ 進行中 □ 完了
医療・介護の準備受診候補のリスト化/要介護認定の申請/ケアプラン相談□ 未着手 □ 進行中 □ 完了
財産管理の備え成年後見・家族信託の検討/代理権の範囲確認□ 未着手 □ 進行中 □ 完了

まとめ

認知症は、誰にでも起こりうる身近な病気です。
大切なのは、早く気づき、まわりと協力しながら支えること。

そして、家族の負担を少しでも減らすためには、相談できる味方を持つことが欠かせません。
私たちは、そうしたご家族に寄り添い、日々の手続きや緊急時のサポートを通して、安心できる暮らしをお手伝いしています。

「まだ大丈夫」と思う今こそ、少しずつ備えを始めるチャンスです。
どうぞ、お気軽にご相談ください。

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