第1回 東京身元保証ケーススタディカフェを開催しました!

11月20日、東京身元保証による新企画「ケーススタディカフェ」を初めて開催しました。
仕事帰りでも立ち寄れる“夜カフェ”のような空気感を大切にした企画で、会場・オンラインの両方からご参加いただきました。

テーマは「成年後見制度のこれから」
制度改正が話題になる一方で、実際に現場で支援を行う方々からは、 「制度が複雑」「支援の限界を感じる」といった声も聞こえてきます。 そこで今回は、制度の成り立ちや改正の意図、海外の動向などを整理しながら、 これからの支援のあり方について参加者のみなさんと一緒に考える時間になりました。


成年後見制度の「いま」と向き合う時間

セミナーでは、まず制度が長く抱えてきた課題について触れました。 歴史の流れをたどりながら、なぜ現在の仕組みがこうなっているのか、 どこに支援のしづらさが生まれるのかを丁寧に整理していきました。

制度が抱える「3つの硬さ」

話の冒頭では、成年後見制度が長く抱えてきた

  • 一度利用すると終身的になりやすいこと
  • 後見人の権限が広く、本人の意思が置き去りになる場面があること
  • 状況が変わっても制度の運用を柔軟に調整しにくいこと

こうした「制度の硬さ」について触れました。アンケートでも実際に、 「硬苦しいイメージだったが、制度改正の意図がよく理解できた」 「成年後見制度の歴史が特に印象に残った」 といった声が寄せられており、制度の背景を知ることが理解の助けになった様子がうかがえました。

2026年の制度見直しが示す方向性

今回特に関心が高かったのが、制度改正の内容です。 「期間付き(有期型)」の導入や、三類型を廃止し必要な支援を組み合わせて使える仕組みへ向かうなど、 より柔軟で、本人の状況に寄り添った制度へと変化しようとしています。

アンケートには、 「『期間付き』は使い勝手が良さそうだと感じた」 「法改正で制度がより柔軟になった点が印象的だった」 といった具体的なコメントが複数寄せられていました。

世界で広がる「支援付き意思決定」

また、世界の動きとして紹介された「支援付き意思決定」も、多くの参加者の心に残ったようです。 本人に代わって決めるのではなく、本人が自分で決められるよう支えるという考え方が、海外でも広がっています。

アンケートには、 「海外にも後見制度があり、制度変更が進んでいることを初めて知った」 「支援付き意思決定への転換が印象的だった」 といった声もあり、広い視点で制度を捉えるきっかけになったとの感想が多く見られました。


アンケートから見える「参加者のリアルな声」

セミナー全体の満足度は、5点満点の平均4.8と非常に高い評価でした。 「内容のわかりやすさ」については全員が満点という結果で、制度という難しいテーマでありながら、 親しみやすく聞けたという声が目立ちました。

印象に残った内容(自由記述より)

  • 制度改正の意図が明確に理解できた
  • 成年後見制度の歴史に触れられたのが良かった
  • 「期間付き」の制度が現場で役立ちそうだと感じた
  • 支援付き意思決定への転換について考えるきっかけになった
  • 海外の制度変更を知り、視野が広がった

コメントを読むと、参加者が「制度の理解」と「自分の支援への応用」を同時に考えていた様子が伝わってきます。

今後さらに聞いてみたいテーマ

次に関心が高かったテーマとしては、以下の順番で多く挙げられました。

  1. 身寄りのない高齢者支援
  2. 現場と制度のギャップ
  3. 死後事務・相続
  4. 地域包括ケア
  5. 介護保険制度のこれから
  6. 多幸会の具体的な支援事例を聞きたい

特に「身寄りのない高齢者支援」への関心が高く、 現場での実践や事例を知りたいという声が印象的でした。

東京身元保証としても、こうした関心の高いテーマを踏まえながら、 現場の「知りたい」「話したい」に寄りそった場づくりを続けていきたいと考えています。


「本人の思い」に立ち返るということ

ケーススタディカフェを振り返ると、制度の話や改正の動向を超えて、 「本人の思いをどう大切にするか」 という根本的なテーマが、自然と浮かび上がってきたように感じます。

制度がどのように変わっていっても、支援の中心にいるのはいつも“その人自身”です。 法律や制度を理解することはもちろん大事ですが、 それ以上に「本人がどう生きたいのか」「どんな選択を大切にしているのか」に耳を傾ける姿勢が、 これからの支援の質を大きく左右していくーーそんなメッセージが、会場にも静かに流れていたように思います。

参加者のみなさんの感想を読むと、「支援者としての立ち位置をもう一度見直すきっかけになった」という声もあり、 主催側としても大きな励みになりました。


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